
揺れる天秤
純白のドレスが、静かな風に吹かれてふわりと揺れる。 バルコニーから見える景色に溶け込み、まるで時間すら止まったかのような、穏やかなひととき...
純白のドレスが、静かな風に吹かれてふわりと揺れる。 バルコニーから見える景色に溶け込み、まるで時間すら止まったかのような、穏やかなひととき...
エザリス王国の首都バトリグ。 かつては街道に商隊が行き交い、官僚や貴族が闊歩する華やかな都だった。 しかし今、石造りの壁には新たな落書き...
「見るがいい。我の指先ひとつで、この世界の秩序は塗り替わる」
聖女ジグナは教皇庁の重厚な扉を静かに閉じた。 冷たく響く廊下を一歩ずつ踏みしめるたび、胸の奥にくすぶる失望が深まるばかりだった。
「一箇所にまとめて爆破する!これが一番スッキリするの」
エザリス王国の東部にある公爵邸の近くに建設された大聖堂。
夏の陽射しが降り注ぐ日曜の朝、教会の鐘が鳴り響いた。 アズトラ教徒たちが次々と教会へ向かう中、突如として空に異変が起こった。
エザリス王立図書館の二階は、木製の本棚が無数に並ぶ壮麗な空間だ。棚の高さは天井に届き、上部には彫刻が施されている。
アズトラ教の神殿は、市民たちの心の支えとして立派にそびえ立っている。 しかし、その外見は不必要に荘厳で、純粋な信仰の象徴とはかけ離れている...
エザリス王国で印刷された出版物のほとんどを収めている国内最大の図書館。