
重なる暗雲
「わざわざ誘いに乗ってひとりで出向くなんて。ベルナズ!あなた、自信過剰にもほどがあるわ」 めずらしく感情を露わにしながら、ジグナがたしなめ...
「わざわざ誘いに乗ってひとりで出向くなんて。ベルナズ!あなた、自信過剰にもほどがあるわ」 めずらしく感情を露わにしながら、ジグナがたしなめ...
「それにしてもよ。なんで民衆は『自称、神』なんてのを簡単に信じちまうんだろうな」 両手を頭の後ろで組み、長椅子に腰掛けたベルナズがぼやく。...
「私は民衆の苦しみを直視する神だ。教皇庁のように至高の存在として見下ろす側にはならない――」
空は薄っすらと暗くなり始めていた。 青く光る環の中に、紺碧の鱗に包まれた龍型の獣魔が浮かんでいる。
「イズディ、これちょっとヤバくない?」 聖女が待機する詰所の上空で、パルヴァズは獣魔の姿を見ながらつぶやいた。