滅びの観客

石造りの古い橋の上に、一人の男が立っていた。
眼前の王城は、猛々しい炎に包まれ、夜空を赤く染めている。

黒煙が立ち昇り、時折聞こえる崩れる音が静寂を破る。
炎の光が川面に揺らめき、男の長い影を橋の上に落としていた。

彼の表情は硬く、目は燃え盛る城を凝視したまま。
風にはためく外套が、この歴史的瞬間の証人となっている。