🌐 Language / 言語
🇺🇸 [English Edition]
🇯🇵 [日本語版]
遠くで鳥の鳴く声が聞こえる。 南から穏やかな風が吹き、バルコニーからやわらかな光が差し込んだ。 のどかな昼下がり――になるはずだった。

帝城の広間に集められた聖女たちが、それぞれの思念誘導兵器――ブリッツを携えて指示を待っている。 監視塔から飛行してきた見張りの聖女が、息を切らしながら異変を伝えた。
街の南側にある居住区に忽然と現れた中型獣魔。
西の海から押し寄せる小型獣魔の群れ。
そして、街の北側で聖職者らしき人物によって準備されている儀式。
これらの出来事は、ほぼ同時に観測された。
「報告の通りだ。今ここにいる聖女で対応する」
聖女たちの前でパルゼアが宣言した。
「居住区には私が行くわ。先に向かった子の支援につく」
真っ先に声を上げたのはマルジナだった。 形のよい眉がつり上がっている。 居住区には孤児院や学校など、子どもたちに関する施設が多い。 報告を聞くより先に飛び出した聖女がいるのも当然だった。
「油断するな」
パルゼアの声を背に、マルジナは駆け出していた。 中型獣魔が街中にいきなり現れることは通常ありえない。 胸騒ぎがしていた。
パルゼアは残った聖女たちに視線を向けた。
「海岸の獣魔を速やかに殲滅しろ。終わり次第、居住区の支援に回れ」
二人の聖女が頷き、広間を後にした。
パルゼアは最後に残った二人の聖女に目を向ける。
「ついてこい」
盾型ブリッツを自らの周囲に浮かせながら、バルコニーへと歩き出す。
北側で儀式の準備をしているのはゾルオネに違いなかった。
力を信奉する者たちが集まるこの街に、聖職者の格好をした者はいない。
心当たりがあるのは、新たに宗教を興したかつてのフィデア皇国の指導者――ゾルオネ枢機卿のみだ。
旧フィデア領にいるはずの彼がここにいること自体が異変だった。
「ゼハインが裏で動いている。居住区の獣魔もそうだろうが、北の儀式のほうが厄介だな」
パルゼアの声に感情はなかった。
二人の聖女を連れ、パルゼアは空へと飛翔した。
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コメント
キャラクターの名前にリンクするやつオネシャス!
あ、ホントだ!
忘れてました、随時やっていきますね。
ロズタロトはなんか因縁ありそうな雰囲気ですねー
今後明らかになることを期待してます
ロズタロトはフィデア出身なのですが、過去に恨みを持つ原因がありまして。
その辺りも3章で各予定です!
マルジナ急いでー
妹分がむちゃしてるよ
合流してからがベストだったんですが、いてもたってもいられなかったようで。