🌐 Language / 言語
🇺🇸 [English Edition]
🇯🇵 [日本語版]
雷光が街を走る。
獣魔の爪が、ルジエリへ振り下ろされた。
「左!」
マルジナが念動力を流す。
ルジエリの身体が紙一重で滑り、黒い爪が石畳を砕いた。
返す刃が獣魔の胸を深く斬り裂く。
だが、巨体は止まらない。
傷を負うたびに黒い血をまき散らしながら、それでも前へ踏み込んでくる。
「……硬い」
ルジエリが小さく息を吐く。
肩が上下していた。
飛び続け、斬り続け、避け続ける。

法力の消耗は隠せない。
対する獣魔は、なお咆哮を響かせる。
「やっぱり長引くか」
マルジナは唇を噛んだ。
「ルジエリ!」
再び支援を重ねる。
淡い光が彼女を包む。
その瞬間だった。
ルジエリの姿がかき消える。
雷撃をすり抜けていく。
爪をかわす。
赤い大剣が一閃。
獣魔の両眼から黒い血が噴き上がった。
視界を奪われた獣魔が咆哮する。
その声を切り裂くように、紫の大剣が首を駆け抜けた。
巨体が揺れる。
一拍遅れて首が滑り落ちた。
轟音とともに地面へ転がる。
「おぉ」
時計塔の屋根でゼハインが拍手した。
「速いだけじゃねえ。威力も十分だな」
ルジエリは大剣を構える。
「あなたの番だよ」
「質問ぐらいさせなさい」
一歩前へ出たのはマルジナだった。
「獣魔をどうやって街へ?」
「あん?呼んだだけだ」
ゼハインは腕を組む。
「呼んで、従わせた」
「そんなこと……」
マルジナの表情が曇る。
「禁術よ」
「そうだ。ま、俺が作った術だからな」
ゼハインは笑った。
その一言で空気が止まる。
マルジナは思わず言葉を失った。
禁術を作った?
そんな人間がいるのか。
「そんなの、どうでもいいよ」
ルジエリは一歩踏み出す。
「子どもを巻き込む奴は斬る」
ゼハインは楽しそうに笑った。
「お前はわかりやすいなぁ」
黒い槍を掲げる。
足元に黒い球体が現れた。
ゆっくりと膨らみ、先ほど倒した獣魔と同じほどの大きさになる。
「もう少し遊んでろ」
霧が晴れる。
新たな獣魔が姿を現した。
「待て!」
ルジエリが叫ぶ。
しかしゼハインは笑ったまま、北の空へ飛び去っていく。
残された獣魔が低く咆哮した。
「ウザいわね。速攻でボコして追うわよ」
マルジナが杖を構える。
ルジエリも無言で大剣を構え直した。
逃がすわけにはいかない。
だが、まずは目の前の敵だった。
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コメント
必殺技がある聖女とない聖女はなにが違うんですか?
文章内で説明していないだけで、みんなあるんです!
また少しずつ明らかにしていければと思います。
激情家の側面があるルジエリは敵が多そうですね。
影刃【一の太刀】で粛清された悪役聖女が敵に内通して罠を張るシチュエーションが想像できます。
「この顔の傷の恨み……‼」
↑影刃【二の太刀】=次は無い
激情に駆られるところが明確な弱点ですね。
戦闘能力はずば抜けているんですが…
その当たりをマルジナがカバーしてくれたり。
聖女同士の戦いも面白そうですね!
戦神ゾルフレッドの神器でありながら、【禍々しい瘴気】を放つ槍。世界を支配する神器。混沌が正常、力こそ正義を理念とする。
ゾルフレッドが乱心して神々vs聖女大戦を画策していなければ良いのですが。
神々vs聖女大戦は絶望的な戦いになりますね!
人間と神の間にはかなりの戦力差がある世界になっております。
術者と獣魔が融合して力を得る憑魔術。
術を作ったゼハインはどのようにして憑魔術の効果を確認したのか?
融合を解除する手段があれば、ギルゼンスが復活できる可能性があります。
あるいは精神を操り憑魔術を試したくなるように仕向けたのか。
「仲間が相手じゃ本気出さないだろう」という発言から、人間の精神を操る魔術も使えるのか。
「仲間」はゼハインを指す筈ではあるものの、後に色々やらかすゼハインを敵と認識して本気で攻撃する事を予測出来ない程、甘い考えでは無い筈なので。
ゼハインはいろいろと実験してますね。
融合を解除する方法はいくつかありますが、術者が死んだ時でもあります。
ゼハインは聖女の中では屈指の実力ですが、耐久面は聖女並なのでゼルロズは本気を出せないですね。
通常攻撃でも倒せます(当たればですが)
ルジエリは最速キャラとして高い攻撃力に反して、使う技は隙が少なくコンパクトな印象を受けていました。
影刃/ルジエリが使える技のうち、最速のもの
大剣使いで攻撃力が極めて高いルジエリが使う技で最大威力の物は【機迅】や【纏閃】の様な溜め技もあるという事でしょうか?
まさにそんな感じのイメージです!
ボクシングのジャブみたいな。
利き手で打つリードジャブ?
強いけど戻りも疾くてスキがない!
タメ技はルジエリはないんです。
一撃必殺的な技もあるといいんですけどね。