砂が呼吸する街

灼熱の太陽が容赦なく照りつける砂漠の中心に、風化した石造りの建物が立ち並ぶ。
絶え間ない砂嵐に晒され、建物の輪郭は丸みを帯び、窓や戸口は細かな砂に半ば埋もれている。

狭い路地には砂が吹き溜まり、行き交う人々は顔を布で覆い、目だけを出して歩く。
乾いた風が吹くたびに砂塵が舞い上がり、街全体をかすんだベールで包み込む。