森に眠る石の記憶

深い森の奥、苔むした古木に囲まれて、忘れ去られた石造りの霊廟がたたずむ。

風化した壁面には、かすかに浮き彫りの跡が残り、時の流れを物語る。
半ば崩れた屋根には蔦が絡みつき、自然と人工の境界を曖昧にしていた。

重厚な石扉は長い年月を経て閉ざされたまま。
周囲には不思議な静寂が漂い、時折聞こえる鳥のさえずりだけが、この場所の存在を確かなものにしている。