怪鳥の撃墜
爆風にさらされても獣魔はひるむことなく進軍を続ける。 何かに追い立てられているかのように、要塞に向かって飛び、泳ぐ。
爆風にさらされても獣魔はひるむことなく進軍を続ける。 何かに追い立てられているかのように、要塞に向かって飛び、泳ぐ。
「お姉ちゃん、砲弾持ってきた」 「んあ、ありがと」 ダルメザは新人聖女である妹分のジレミューから砲弾を受け取ると、ブリッツに装填しはじめ...
水中を泳ぐいくつもの黒い影。 そして空には鳥獣型の獣魔が要塞に向かって飛んでいた。 不気味な鳴き声をあげながら、聖女たちの眼前に迫る。 ...
目覚めた時の気分は最悪だった。 体に力が入らず、起き上がれない。 脇腹が脈動に合わせてひどく痛んだ。
脅威が迫るゲイルード海上要塞はいつになく慌ただしかった。 獣魔の群体に対して広範囲攻撃を行う特殊部隊 プルゼリフに所属する聖女たちは、弾薬...
北の果てに広がるヘウズ侵蝕領域。そこから押し寄せる獣魔たちは、陸地に向かって南下していた。
ローブが潮風に吹かれ、たおやかに揺れる。 絹のような光沢を放つ髪は、男の魂を象徴しているかのように輝いていた。
「生まれ出づる喜び――それも束の間の夢。刹那の美しさ 深き哀しみを宿す」 病室に穏やかな声が響く。 ゼルロズは花瓶から一輪の花を手に...
「どけ!道をあけんか、愚図どもがッ!」 道を歩く老人を水たまりに突き飛ばしながら、ゾルオネ枢機卿は走った。
「バカ!無謀すぎるわよ!」 ロズタロトはダルガロスの真横を飛びながら、前足の関節に弾丸を集中させた。 勢いが少しだけ弱まる。 しかし、...