隠し目の守護者
原初の獣魔ゲートニグが現れてから18年が経った。世界中で天啓を受ける者が続出し、人類は戦う力を得た代わりに深海から這い上がってくる獣魔も増加...
原初の獣魔ゲートニグが現れてから18年が経った。世界中で天啓を受ける者が続出し、人類は戦う力を得た代わりに深海から這い上がってくる獣魔も増加...
ルジエリには攻撃・防御面、どちらも中型獣魔を倒す上で十分な力が備わっていた。 ただし、人と獣魔の間には決定的な差がある。 それは耐久力。...
対立し合う小国を力でまとめあげたリガレア帝国には、戦争で親を失った孤児も多い。 パルゼアは戦災孤児への支援を腹心の聖女オーゾレスに指示し、...
遠くで鳥の鳴く声が聞こえる。 南から穏やかな風が吹き、バルコニーからやわらかな光が差し込んだ。 のどかな昼下がり――になるはずだった。 ...
「だーかーら。俺がオッさんに力を貸してやるって言ってんだよ」 短い赤髪を揺らして、ゼハインが苛立たしげに眉をひそめる。 小さくため息をつ...
ギサリオ公国の駐屯地、壊滅―― フィデア城の自室でくつろぐゾルオネ枢機卿の元に、不穏な知らせが届いた。
「一刀両断ってヤツよ。おめえらにも見せてやりたかったぜ」 兵士長は朝から上機嫌だった。
砂糖と焼けた小麦の甘い香りがする。 14歳になるパルゼアのために、父ウォランドがケーキを焼いてくれたのだ。
水平線に向かって日が落ちていく。 増援の依頼のためにゲイルード海上要塞を訪れたズィーグレが見たものは、巨大な獣魔の影だった。
爆風がユゼルテスとファズニルを吹き飛ばす。 ベルナズは念動力でふたりを受け止めると、エルゼナグの様子をうかがった。