刹那の勝機
ファズニルのバフ効果を受けながら、アムネズは関節を狙って攻撃を繰り返していた。 手応えはある。 しかし、いずれもエルゼナグの進撃を止める...
ファズニルのバフ効果を受けながら、アムネズは関節を狙って攻撃を繰り返していた。 手応えはある。 しかし、いずれもエルゼナグの進撃を止める...
爆発で生じた煙の中に人影が見える。 風がその姿をあらわにした。 金色の髪が揺れる。
大気が鳴動する。 それが獣魔の咆哮であることは明らかだった。 遠目にもエルゼナグが覚醒したことがわかる。 黒々とした巨体の周りに炎が渦...
厚い雲が銀色に輝いている。 見渡す限りの雪と氷のかたまり。 川は凍り、身を切るような風が吹いている。
「いずれにせよ、正面突破はできない」 「それは我々が決めることだ」 作戦会議にも使用される聖堂の一室。 早朝にもかかわらず、幾人か...
「アムネズが上手くやってくれたみたいね」 ギルゼンスは満足げに微笑んだ。
アムネズの一撃により首をはねられた天獣の身体は、ゆっくりと光の粒へと変わっていった。 「ふう……危なかったッスね」 「ああ。手強かっ...
剣の如き鋭利な爪と噛みつきによる波状攻撃。 単純でありながら速度と重さを備えた連撃に、アムネズたちは圧倒されていた。
地下をどれほど降っただろうか。 アムネズたちは中央に祭壇が設けられた広間にたどり着いた。
「ねえ、アム姉はここが何のために作られたか知ってます?」 ヴァルネイ共和国のはずれにある地下神殿へと続く道で、ファズニルが問いかける。 ...