遺跡の守り手

「こんな所に何があるってんですかね?」

ゴゼンは遺跡に転がっている石を蹴飛ばす。
もう三時間は歩き詰めだ。
ギルゼンスの指示で調査に来たルモリカ遺跡は広大だった。

「わたしたちの仕事は神器の回収ですよ。詮索は不要です」
疲れた様子もなくメレザルがたしなめる。
何があろうと彼女は指示に従うまでだ。

「目当ての場所についたようだな」
先頭を歩くゼイシグが呟いた。
巨大な剣が宙空に浮かび上がる。
温存していた念動力を使う時がきたのだ。

遺跡の奥が青白く光っている。
巨大な影が彼女たちをじっと見下ろしていた。

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朱の彫像
刃によって大理石がバターのように削り取られていく。 鋭利な刃を備えた2機のブリッツは、まるでそれぞれが意思を持つかのように滑らかに動いてい...