夜明けの盾
夜明けの空は、どこか不穏な気配を漂わせていた。濃紺から紫色へと変わる空には、重く垂れこめる暗雲が広がっている。かすかな赤みが雲の隙間から漏れ...
夜明けの空は、どこか不穏な気配を漂わせていた。濃紺から紫色へと変わる空には、重く垂れこめる暗雲が広がっている。かすかな赤みが雲の隙間から漏れ...
爆風がユゼルテスとファズニルを吹き飛ばす。 ベルナズは念動力でふたりを受け止めると、エルゼナグの様子をうかがった。
ファズニルのバフ効果を受けながら、アムネズは関節を狙って攻撃を繰り返していた。 手応えはある。 しかし、いずれもエルゼナグの進撃を止める...
爆発で生じた煙の中に人影が見える。 風がその姿をあらわにした。 金色の髪が揺れる。
大気が鳴動する。 それが獣魔の咆哮であることは明らかだった。 遠目にもエルゼナグが覚醒したことがわかる。 黒々とした巨体の周りに炎が渦...
「いずれにせよ、正面突破はできない」 「それは我々が決めることだ」 作戦会議にも使用される聖堂の一室。 早朝にもかかわらず、幾人か...