🌐 Language / 言語
🇺🇸 [English Edition]
🇯🇵 [日本語版]
暗い森だった。
夕闇が深くなるにつれ、木々の影は長く伸び、道なき道を歩く者の行く手を阻む。
祖母のために薬草を採りに来た少女は、帰り道を見失っていた。
どちらへ歩けば村へ戻れるのか分からない。
風が吹くたび、木々がざわめく。
その音が、何かの囁きにも聞こえた。
怖い――早く帰りたい。
けれど足は、思うように動いてくれなかった。
その時だった。
低い唸り声が聞こえた。
地を這うような音。
振り返るとそこには、狼のような姿をした異形の獣がいた。
黒く濡れた毛並み。
異様に長い牙。
爛々と光る目が、少女を真っ直ぐ見据えている。
息が止まる。
脚がすくんだ。
逃げなければならない。
そう思うのに、身体が動かない。
獣が低く身を沈めた。
飛びかかる。
「助けて――!」
悲鳴が森へ響いた。
その瞬間。
硬質な金属音が響き渡る。
獣の牙は、突然割り込んできた巨大な盾によって受け止められていた。
「もう大丈夫ですよ」
少女の前に立っていたのは、金色の三つ編みを揺らす聖女だった。
盾を構えたまま、困ったように笑っている。
「そのままボクの後ろに隠れて」
やさしい声だった。
不思議と、怖さが少しだけ遠ざかる。

「……あとは、コワいお姉さんに任せましょう」
「聞こえてるわよ」
風を裂く音がした。
見上げる。
夕空を背に、ひとりの聖女が浮かんでいた。
長い金髪。
静かな眼差し。
その傍らには、巨大な砲が浮かんでいる。
エザリス王国の聖女たちを束ねる女王――ヴィゾア。

砲口へ、まばゆい光が収束していく。
空気が震えた。
次の瞬間。
閃光。
轟音。
獣の身体が、光に呑まれて消し飛ぶ。
一瞬だった。
森の奥で潜んでいた獣たちも、怯えたように散っていく。
少女は言葉を失った。
ただ、眩しかった。
怖いほどに強い。
なのに、不思議と安心できる背中だった。
ヴィゾアは森の奥へ目を向けたまま、小さく息を吐いた。
「……まだいるわね」
その声に迷いはない。
「全部、消しておきましょう」
少女は少しだけ息を呑んだ。
けれど、イズデイルは慣れたように笑っている。
やがて、森に静けさが戻った。
イズデイルはしゃがみ込み、少女の目線に合わせる。
「怖かったですね」
そう言って、頭をそっとなでた。
「ありがとう……」
少女の目から涙があふれる。
「うん。帰りましょう」
イズデイルが小さな手を取る。
その少し前を、ヴィゾアが歩いていた。
森の向こうには、街の灯りが小さく見えている。
帰る場所は、まだ守られていた。
↓NEXT

コメント
ジグナって誰?と思ったらちゃんと登場してた
そうなんです、実は結構初期からいる方なんです。
また紹介ページにリンク設定いたしますm(_ _)m
怖いお姉さんw
たち。なのでヴィゾアも含まれてるのが草なんだ
ある意味一番怖いお姉さんかもしれない…!
盾の形をしたブリッツと普通の盾は何が違うのかがわからん
ブリッツは聖女が持つ念動力・感応力に反応しやすい素材で作られた武器の総称になります。
なので、100kgの普通の盾だと重たくて持ち上げられない。
でも、100kgの盾の形をしたブリッツなら軽々持ち上げられる。
ということになります!
イズデイルの胸に飛び込んだ・・・?
(イズデイルのイラストを見る)
俺もぜひお願いします!
豊満ですからね笑
イズデイルなら受け止めてくれるかな?
ガードは硬いのでお気をつけて。
ヴィゾア「イズデイさん、ジグナさん、御覧なさい。こんなに綺麗な花火ですよ。おーっほっほっほっ」
イズデイル「ヴィゾア様、急にどうしちゃったの?」
ジグナ「『龍玉伝』という昔話にハマっているそうよ」
ヴィゾア「私の討伐数は53万です。おーっほっほっほっ」
ジグナ「流石に捏造し過ぎでしょう」
リリー「お姉ちゃん、あの人怖い」
リリーはイズデイルの胸に飛び込んだ。
まさかのフリーザ化!?
53万討伐はやばい笑
これはリリーもびびりますね。