光の戦乙女

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暗い森だった。

夕闇が深くなるにつれ、木々の影は長く伸び、道なき道を歩く者の行く手を阻む。

祖母のために薬草を採りに来た少女は、帰り道を見失っていた。

どちらへ歩けば村へ戻れるのか分からない。

風が吹くたび、木々がざわめく。

その音が、何かの囁きにも聞こえた。

怖い――早く帰りたい。

けれど足は、思うように動いてくれなかった。

その時だった。

低い唸り声が聞こえた。

地を這うような音。

振り返るとそこには、狼のような姿をした異形の獣がいた。

黒く濡れた毛並み。
異様に長い牙。
爛々と光る目が、少女を真っ直ぐ見据えている。

息が止まる。

脚がすくんだ。

逃げなければならない。

そう思うのに、身体が動かない。

獣が低く身を沈めた。

飛びかかる。

「助けて――!」

悲鳴が森へ響いた。

その瞬間。

硬質な金属音が響き渡る。

獣の牙は、突然割り込んできた巨大な盾によって受け止められていた。

「もう大丈夫ですよ」

少女の前に立っていたのは、金色の三つ編みを揺らす聖女だった。

盾を構えたまま、困ったように笑っている。

「そのままボクの後ろに隠れて」

やさしい声だった。

不思議と、怖さが少しだけ遠ざかる。

光の戦乙女

「……あとは、コワいお姉さんに任せましょう」

「聞こえてるわよ」

風を裂く音がした。

見上げる。

夕空を背に、ひとりの聖女が浮かんでいた。

長い金髪。

静かな眼差し。

その傍らには、巨大な砲が浮かんでいる。

エザリス王国の聖女たちを束ねる女王――ヴィゾア。

砲口へ、まばゆい光が収束していく。

空気が震えた。

次の瞬間。

閃光。

轟音。

獣の身体が、光に呑まれて消し飛ぶ。

一瞬だった。

森の奥で潜んでいた獣たちも、怯えたように散っていく。

少女は言葉を失った。

ただ、眩しかった。

怖いほどに強い。

なのに、不思議と安心できる背中だった。

ヴィゾアは森の奥へ目を向けたまま、小さく息を吐いた。

「……まだいるわね」

その声に迷いはない。

「全部、消しておきましょう」

少女は少しだけ息を呑んだ。

けれど、イズデイルは慣れたように笑っている。

やがて、森に静けさが戻った。

イズデイルはしゃがみ込み、少女の目線に合わせる。

「怖かったですね」

そう言って、頭をそっとなでた。

「ありがとう……」

少女の目から涙があふれる。

「うん。帰りましょう」

イズデイルが小さな手を取る。

その少し前を、ヴィゾアが歩いていた。

森の向こうには、街の灯りが小さく見えている。

帰る場所は、まだ守られていた。


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女神の教義
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コメント

  1. 匿名 より:

    ジグナって誰?と思ったらちゃんと登場してた

    • akima より:

      そうなんです、実は結構初期からいる方なんです。
      また紹介ページにリンク設定いたしますm(_ _)m

  2. 匿名 より:

    怖いお姉さんw
    たち。なのでヴィゾアも含まれてるのが草なんだ

  3. 匿名 より:

    盾の形をしたブリッツと普通の盾は何が違うのかがわからん

    • akima より:

      ブリッツは聖女が持つ念動力・感応力に反応しやすい素材で作られた武器の総称になります。
      なので、100kgの普通の盾だと重たくて持ち上げられない。
      でも、100kgの盾の形をしたブリッツなら軽々持ち上げられる。
      ということになります!

  4. 匿名 より:

    イズデイルの胸に飛び込んだ・・・?
    (イズデイルのイラストを見る)
    俺もぜひお願いします!

    • akima より:

      豊満ですからね笑
      イズデイルなら受け止めてくれるかな?
      ガードは硬いのでお気をつけて。

  5. 聖剣の目隠し乙女 より:

    ヴィゾア「イズデイさん、ジグナさん、御覧なさい。こんなに綺麗な花火ですよ。おーっほっほっほっ」
    イズデイル「ヴィゾア様、急にどうしちゃったの?」
    ジグナ「『龍玉伝』という昔話にハマっているそうよ」
    ヴィゾア「私の討伐数は53万です。おーっほっほっほっ」
    ジグナ「流石に捏造し過ぎでしょう」
    リリー「お姉ちゃん、あの人怖い」
    リリーはイズデイルの胸に飛び込んだ。