テルザト

第五章

見えざる影の青

「さて、嬢ちゃんに借りができちまったね」「あら、気にしないで。私とおば様の仲じゃない」大げさに肩をすくめながら、ギルゼンスが言う。「ってことで、私はこれで失礼するわ」
第五章

刹那の勝機

「くっ…!」「なんだよ、この氷はよ!うぜえ!」グレイザたちの半身を覆う氷は分厚い。ブリッツで砕くとしても数十分はかかるだろう。「ど、どうしたらいいニャ…!」杖で氷を叩きながら、テルザトが弱々しくつぶやく。
第五章

神眼の導き

「さて、話してもらうよ。なぜ天獣をけしかけたんだい」冷たい海風を背に、グレイザが静かに問い詰める。対峙するラージェマは静かに歩み寄りながら、淡々と答えた。
第五章

天上の煌龍

海上を吹き抜ける乾いた風が、剣呑な気配を運んできた。透き通るような青空の下、巨大な影がゆっくりと降下してくる。
第五章

崇高なる天蛇

群れのボスと見られるエルパードの鱗は、まるで天の裁きを宿しているかのように美しく輝いていた。不気味に輝く双眸は鋭く、見つめられるだけで心を射抜かれるような畏怖を感じる。それでも、全身からただよう神々しい気配は、人知を超えた存在の崇高さを思わ...
第五章

沿岸の攻防

「おばさま、クッキーを焼いてみたんです。後で一緒に食べましょ」聖女ジュレインの屈託のない笑顔。彼女も望んで天啓を受けたわけではない。ましてや、獣魔と戦う運命など――