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🇺🇸 [English Edition]
🇯🇵 [日本語版]
大気が震えた。
山々に反響したその音だけで、目指す相手がどこにいるのかわかった。
黒い巨影が空に浮かんでいる。
炎をまとった龍。
ただそこにいるだけで周囲の景色が歪んで見えた。
「なるほど。あれか」
ユゼルテスが空を見上げる。
法王が他国への救援を口にした理由が理解できた。
巨大だからではない。
放っている気配そのものが異質なのだ。
「やはり聖女皇様の意識は残っていないようだな」
アムネズが低くつぶやく。
返事をしたのはファズニルだった。
「完全に獣魔ッスよね、これ……」
引きつった声。
正直なところ、今すぐ引き返したかった。
だが二人ともそんな気はないらしい。
エルゼナグが大きく息を吸う。
空気が震えた。
周囲の神気が巨体へと吸い込まれていく。
「来る」
ユゼルテスが眉をひそめる。
次の瞬間。
巨大な閃光。
熱線が一直線に大地を焼いた。
岩が溶ける。
木々が吹き飛ぶ。
爆風が三人の髪を激しく揺らした。
「面白い」
ユゼルテスが空中を蹴る。
巨大な戦槌を引き連れ、一気に空へ飛び上がった。

「ちょっ――!」
ファズニルが叫ぶより早い。
ユゼルテスはエルゼナグの眼前まで突っ込んでいた。
「まずは力比べだ!」
振り下ろされた戦鎚が、巨獣の手首に直撃した。
金属の塊をぶつけ合ったような、鈍い音が響き渡る。
矮小な人間が振るう鉄槌に弾かれ、エルゼナグは驚いたように目を見開いた。
「……硬いな」
ユゼルテスの笑みがわずかに消える。
ほとんど効いていない。
巨体はほんの少し揺れただけだった。
直後、尾がうなる。
ほぼ同時にかぎ爪が閃く。
ユゼルテスは連続で回避する。
攻撃は見えている。
だが速い。
巨体とは思えない速度だった。
その隙にアムネズが斬り込む。
二本の刃が赤い軌跡を描いた。
外皮の隙間を裂く。
しかし浅い。
血は流れた。
だが致命傷には程遠い。
「刃は通るが――」
「安心してる場合じゃないッス!」
ファズニルの支援が飛ぶ。
光がふたりを包み込む。
戦鎚と刃の速度が増す。
当然、威力も増す。
それでも状況は変わらなかった。
ユゼルテスの打撃。
アムネズの斬撃。
どちらも決定打にならない。
対するエルゼナグは疲れる様子すら見せない。
「ちっ!」
ユゼルテスの舌打ち。
振り下ろされた大木のような腕が、戦槌を弾き飛ばす。
重い衝撃。
上腕に激痛が走った。
そのまま地面へ叩き落とされる。
「ユゼ姉!」
ファズニルが反射的に念動力を放つ。
落下の勢いを弱める。
それでもユゼルテスの体は地面に叩きつけられた。
今度はアムネズが飛び出す。
その身体へ尾が迫った。
「危ないッスよ!」
念動力で押し飛ばす。
回避は間に合った。
だが尾の先端が脚をかすめる。
鈍い音。
アムネズの表情が歪んだ。
砕けた防具の下で脚が不自然に曲がっている。
エルゼナグがゆっくりと口を開く。
赤い光。
炎。
膨大なエネルギーが集まっていく。
「まずいッスよ……」
ファズニルの声が震える。
動けないアムネズ。
立ち上がれないユゼルテス。
逃げ切れない。
火球が放たれようとした、その瞬間――
エルゼナグの側頭部が爆発した。
炸裂音とともに、黒い外皮が吹き飛ぶ。
巨体が傾いた。
三人は同時に空を見上げる。
遥か後方――夕焼け空の中に、ひとつの人影が浮かんでいた。
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コメント
おー!かっこいいですユゼルテス。いまのとこ一番好きかも。
わきのところは開いてたんですねw
強気発言が目立ちましたけどたしかにこれなら自信満々にもなるかも。
エルゼナグの頭を爆発させたのはシューターの誰かでしょうか??
お気に入りのキャラなので力が入ってしましました笑
わきのところはちょっと開いてます。涼しそう。
エルゼナグの側頭部を攻撃したのはシューターですね。
次回登場します!
斥候というか威力偵察になっていますが、速度・防御のバッファーやディフェンダーは来ていないのでしょうか。
いよいよレイズウォルの登場と思いきや、紹介済みのメンバーにはシューターがいないみたいですね。
イゼは様子を見ている…?
威力偵察!確かにぴったりですね。
眠ってたらそのまま様子を見るつもりだったんですが…
ユゼルテスは奇襲を仕掛けそう。
まさにボスキラーのレイズウォルが適任なんですが、実は同時期に海上要塞も交戦中だったりします。
イゼたちは首都ウクトを守って、もし斥候隊がやられたら迎撃するつもりですね。
動きがあるイラストで好みです。
ユゼルテス…最初から殺る気満々w
ニ章も大詰めといったところでしょうか。
続きも楽しみにしています。
躍動感を出すのは難しいです。
ユゼルテスは私の当初の想定より大暴れしてくれています。
勝手に動き出す感じで。
ニ章もあと数話になります。
読んでいただけると嬉しいです!
武人タイプの喋り方二人との会話にッス語尾が来るのがよき。打撃は通じてるみたいですけど早速ピンチ。増援はシューター?
ちょっとかぶってますよね。
強い女大好きなのでどうしてもこの話し方になってしまいます。
ユゼルテスの打撃はエルゼナグにも通用するレベルなのですが正面からやり合うにしては体力差がありすぎ状態です。
援軍にかけつけたのはシューターです!
大型獣魔から殴られたらきほん防御する方法ってないん?
ノーダメは回避するしかないんか
念動力で押し返す、というのがセオリーですね
でも大型獣魔だとパワー負けしてふっ飛ばされます
ノーダメージは無理かな?
聖女の中で防御最強のパルゼアならなんとかという感じです
回避するにこしたことはないです
ユゼルテスは優遇されている気がする・・・作者お気に入りのキャラぽい
ハハハ、なんのことか…わからないですね…ハハハ
聖女の速度・躍動感と彼方の巨大な獣魔の対比が理想的。
揺るぎ無い自信と実力、端的な言葉にパルゼア以上の貫禄を感じさせる。
巨体が傾く程となると、頭部に砲を近付けての接射。
これを見逃すギルゼンスの感応力は仕事をしていない。
スピード感が出せるようになったのは嬉しいです。
今までは空中で止まってる感じでしたので。
ギルゼンスはあんまり意識がはっきりしていない状態ですね。
なんせ三人?いるので…ユゼルテスを持ち上げすぎると伝説の獣魔が弱く見えるので難しいところです。
ア「伝説とは言っても、大型獣魔には違いない」
ユ「3人いれば十分だ」
フ「無理ッス全然足りないッス!援軍が欲しいッス!4人、5人…50人は欲しいッスよ」
大型獣魔ではあるので3人で…倒せるかな?
厳しいですね!
援軍が欲しいところ…
おばさまがいたら別なんですけども。