
偽りの火輪
昼下がりに差しかかった空では、太陽がぎらぎらと海面を照りつけていた。 白い雲ひとつない蒼穹の下、5人のシューターたちによる爆撃が続いている...
昼下がりに差しかかった空では、太陽がぎらぎらと海面を照りつけていた。 白い雲ひとつない蒼穹の下、5人のシューターたちによる爆撃が続いている...
『起きろ、女。敵だ』 空が白じんだ夜明けごろ――頭の中に残響する、くぐもった低い声。 ギルゼンスはゆっくりと目を開けた。 もっとも、目...
「対立なんて必要ないわ。すべてが私の中でひとつになる」
爆風がユゼルテスとファズニルを吹き飛ばす。 ベルナズは念動力でふたりを受け止めると、エルゼナグの様子をうかがった。
ファズニルのバフ効果を受けながら、アムネズは関節を狙って攻撃を繰り返していた。 手応えはある。 しかし、いずれもエルゼナグの進撃を止める...
爆発で生じた煙の中に人影が見える。 風がその姿をあらわにした。 金色の髪が揺れる。
大気が鳴動する。 それが獣魔の咆哮であることは明らかだった。 遠目にもエルゼナグが覚醒したことがわかる。 黒々とした巨体の周りに炎が渦...
厚い雲が銀色に輝いている。 見渡す限りの雪と氷のかたまり。 川は凍り、身を切るような風が吹いている。
「アムネズが上手くやってくれたみたいね」 ギルゼンスは満足げに微笑んだ。
アムネズの一撃により首をはねられた天獣の身体は、ゆっくりと光の粒へと変わっていった。 「ふう……危なかったッスね」 「ああ。手強かっ...