対峙する聖魔
海面がゆっくりとドーム状に盛り上がり、流れ落ちる水が球を作る。 空中に浮かぶ水の球はギルゼンスの目の高さまで登っていく。
海面がゆっくりとドーム状に盛り上がり、流れ落ちる水が球を作る。 空中に浮かぶ水の球はギルゼンスの目の高さまで登っていく。
「ヴィゾア様、今のうちに逃げますよ」 全身が海水でびしょ濡れになったウェレジアが、海上要塞の屋上に座り込むヴィゾアに声をかけた。 手に持...
「対立なんて必要ないわ。すべてが私の中でひとつになる」
見渡す限りの空と海。 ゲイルード海上要塞の上空で聖女たちは黒い影の正体と対峙していた。
爆風がユゼルテスとファズニルを吹き飛ばす。 ベルナズは念動力でふたりを受け止めると、エルゼナグの様子をうかがった。
厚い雲が銀色に輝いている。 見渡す限りの雪と氷のかたまり。 川は凍り、身を切るような風が吹いている。
「アムネズが上手くやってくれたみたいね」 ギルゼンスは満足げに微笑んだ。
刃によって大理石がバターのように削り取られていく。 鋭利な刃を備えた2機のブリッツは、まるでそれぞれが意思を持つかのように滑らかに動いてい...
エザリス王国が獣魔の襲撃を受けた日。 ギルゼンスはバイザーを外し、観光客を装ってヴェラム大聖堂の地下に忍び込んだ。 そこから感応力を研ぎ...
「これはこれは……ギルゼンス様」 ブリッツを製造しているルカヴィ社の研究所長バイアンは突然の来客に面食らった。 すでに日は落ちている。 ...