
甘味の頂上
「超特大フルーツタルト…ふぅん。悪くないわ」 腕を組んでカフェのメニューの前にたたずむ、目隠しをした女。 銀色の髪が艶やかに揺れ、行き交...
「超特大フルーツタルト…ふぅん。悪くないわ」 腕を組んでカフェのメニューの前にたたずむ、目隠しをした女。 銀色の髪が艶やかに揺れ、行き交...
『起きろ、女。敵だ』 空が白じんだ夜明けごろ――頭の中に残響する、くぐもった低い声。 ギルゼンスはゆっくりと目を開けた。 もっとも、目...
海面がゆっくりとドーム状に盛り上がり、流れ落ちる水が球を作る。 空中に浮かぶ水の球はギルゼンスの目の高さまで登っていく。
「ヴィゾア様、今のうちに逃げますよ」 全身が海水でびしょ濡れになったウェレジアが、海上要塞の屋上に座り込むヴィゾアに声をかけた。 手に持...
「対立なんて必要ないわ。すべてが私の中でひとつになる」
見渡す限りの空と海。 ゲイルード海上要塞の上空で聖女たちは黒い影の正体と対峙していた。
爆風がユゼルテスとファズニルを吹き飛ばす。 ベルナズは念動力でふたりを受け止めると、エルゼナグの様子をうかがった。
厚い雲が銀色に輝いている。 見渡す限りの雪と氷のかたまり。 川は凍り、身を切るような風が吹いている。
「アムネズが上手くやってくれたみたいね」 ギルゼンスは満足げに微笑んだ。
刃によって大理石がバターのように削り取られていく。 鋭利な刃を備えた2機のブリッツは、まるでそれぞれが意思を持つかのように滑らかに動いてい...