海上の決闘
南から暖かい風が吹く、エザリス王国の国境上空。 空は晴れ渡り、小さな雲が点在していた。 海面が光を返してキラキラと輝く。
南から暖かい風が吹く、エザリス王国の国境上空。 空は晴れ渡り、小さな雲が点在していた。 海面が光を返してキラキラと輝く。
ある晩、ギルゼンスが眠るベッドに養父が潜り込んできた。 いつもはやさしい養父の息が荒い。 体をまさぐられながら、自分に欲情していることを...
右腕の肘から下は黒く炭化し、ボロボロと砕け散った。 痛みはまだ感じない。 聖女ゼタリリアは自分の体に何が起こったのか、すぐには理解が追い...
避難場所である大聖堂の地下室で、ザクネルはため息をつきながらベッドに腰を下ろした。 大聖堂の地下には有事の際に避難所として利用できるよう、...
空が照らされるほどの強い光。 そして巨大な山が崩落するかのような獣魔の叫び声。 幾多の戦場をともにしてきた聖女ガルフィズは、すぐにその光...
「まずはあのウザイ電撃をなんとかしねえとな」 聖女ベルナズは攻撃を止め、感応力を研ぎ澄ます。
空は薄っすらと暗くなり始めていた。 青く光る環の中に、紺碧の鱗に包まれた龍型の獣魔が浮かんでいる。
「イズディ、これちょっとヤバくない?」 聖女が待機する詰所の上空で、パルヴァズは獣魔の姿を見ながらつぶやいた。
「お~? オッサン元気じゃん」 ヴェラム大聖堂前で住民の避難誘導を行なっていた聖女ウェレジアは、走り寄る赤い影に気づいた。 老婆に手を貸...
もはや雷といってもよいほどの電撃が首都バトリグに降り注いだ。 アズトラ教の神殿や教会が多く建設されている街の北側には、黒い煙が立ち昇ってい...