
対峙する聖魔
海面がゆっくりとドーム状に盛り上がり、流れ落ちる水が球を作る。 空中に浮かぶ水の球はギルゼンスの目の高さまで登っていく。
海面がゆっくりとドーム状に盛り上がり、流れ落ちる水が球を作る。 空中に浮かぶ水の球はギルゼンスの目の高さまで登っていく。
「ヴィゾア様、今のうちに逃げますよ」 全身が海水でびしょ濡れになったウェレジアが、海上要塞の屋上に座り込むヴィゾアに声をかけた。 手に持...
「対立なんて必要ないわ。すべてが私の中でひとつになる」
見渡す限りの空と海。 ゲイルード海上要塞の上空で聖女たちは黒い影の正体と対峙していた。
山羊のような角を持つ大型獣魔。
「はえ~こりゃ大物だ。近くで見るとホントでかいね」 ムーゼルはあんぐりと口を開けたまま、ジオッドがおびき寄せた獣魔を見上げた。
時おり電光を閃かせる、流線形の頭部を持つ大型獣魔。
「うははは!見ろよ、今度の相手は楽しめそうだぞ」 ものものしい甲冑に身を包んだ聖女が、ゲイルード海上要塞の屋上から海を眺めている。
暗色の霧に包まれた大型獣魔。
灰色がかった空に、ほんのりと夕暮れの気配が忍び寄り始めていた。 水平線の彼方から、黄金色を帯びた光が空全体に溶け込んでいく。 まるで時の...